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2020年03月29日
サファイアの買取
皆様はシルクインクルージョンという言葉を聞いたことがありますか?
宝石業界にかかわる人以外はなかなか耳にしない言葉かもしれません。
私達質屋というのはお客様に持って来て頂いた商品を査定して、お客様に~円で買取可能ですよ、~円で質預かりできますよという査定額をお伝えします。
この時の査定額というのは野球のストライクゾーンのような物で高すぎてもダメですが、低すぎてもダメなのです。高すぎると損をするのでダメなのですが、低すぎてもお店の評判を落とす事に繋がるので適正価格での買取を心掛けています。
ブランド品やアパレル関係、電化製品やiPhoneなどはネットや相場検索ソフトなどを使用し、真贋や状態を見ることさえ出来ればストライクゾーンの査定額をバシバシと出す事が可能です。
逆に宝石というのは見る人によっても評価が変わりますし、エンハンスメントやトリートメントと呼ばれる特殊な処理がされている石、最近話題になった合成ダイヤモンドなどもありストライクゾーンの査定額を出すというのがなかなか難しい商材となっているのです。
今回はそんな宝石の中からサファイアの査定額について解説させて頂きます。
サファイアの原石はコランダムという石でこのコランダムの中で宝石としての価値があり、尚且つ赤色以外の物をサファイアと呼びます。
一般的には青色のブルーサファイアが思い浮かぶかと思います、ちなみに赤色の物はルビーとなりサファイアとは同じコランダムを原石とします。
現在流通しているサファイアには加熱処理という処理が施される物がほとんどで加熱されていない物はかなり珍しくなっております。
なぜ加熱するかと言うとサファイアにはシルクインクルージョンと呼ばれる針状の内包物があり、加熱すると溶けてしまうのですがその時にチタンが反応してブルーを発生させるからです。
元は薄い色の原石でも加熱させると濃いブルーになることがあるのです。
今回お持ち頂いたサファイアはこちらです。
私はサファイアを査定する時には色、透明度、カットを10点満点で評価して金額を出しております。
色は青×青の濃い色が一番いいですが、黒や緑が入ってるとかなりお値段落ちてしまいます。
今回お持ち頂いたサファイアは5カラットのブルーサファイアです、光を当てているので写真だと濃く見えますが実物はかなり薄い色をしております。
色 6点 入っていく光が青×青でいい色だけど薄い真ん中の色が抜けている。
透明度 5点 大き目のインクルージョン(内包物)がある。
カット 6点 石が分厚い。
宝石があまり得意でないお店だといい石だけれど色が薄いので査定額は6~7万円くらいかなとなるかと思います。
ですが実はサファイアを査定する時にはもう一つ大きな要素があります、それは加熱処理がされているかいないかです。
これは先ほど説明致しましたが現在流通している物のほとんどが加熱処理をされた物で非加熱サファイアというのが大変珍しくなっているからです。
これは先ほどのサファイアを拡大した写真ですが、下の方に針状のインクルージョンがあるのが見えますでしょうか?
これがシルクインクルージョンです、このインクルージョンがしっかり見える場合は非加熱のサファイアであることが多いのです。(低温加熱の物もあるので100%ではない)
今回持ち込まれたサファイアは非加熱の可能性が高いので先ほどの6~7万円の査定額からかなり上がりまして21万円で買取させて頂きました。
このように宝石を査定する場合にはしっかりとした目利きが必要となってきます。
お持ちの宝石の価値を知りたい場合はお気軽にお問い合わせください。